粕汁

2月 07 2012

寒いこの時期になりますと、
和食のお店やおばんざい屋さんに行くと粕汁がメニューに並びます。
粕汁というと各家庭でもそれぞれに家庭の味というものがあるほど、
一般的にポピュラーな冬のあったか料理です。

和泉屋旅館でも、
お客様からリクエストがあり特別に粕汁を用意いたしました。

ところがこの粕汁、
料理人が作るとなるととても時間のかかる凝った料理の一つでして、
仕込みは前日から始めて鰤などのあらから出汁をとり、
粕魂がなくなるまで丁寧に漉していきます。

そして出来上がった粕汁はまるで白味噌の雑煮のようにとろっとしていて、
コクのある旨みの塊のような風味になります。

蕪と鮭、人参とあしらった椀の中にすぅっと注がれる乳白色と、
上にそっと置かれる細く刻まれた青葱が冬の中に春を待ち焦がれる様子を表していて、
見た目にも楚々とした印象を与えてくれます。

・・・あまりにもおいしそうだったので、実は板場に頼んで一口いただいちゃいました。

知ってる粕汁ではなかったです。

これは確かにリクエストが出てくるはずだと合点してしまいましたよ。

もしかすると2月のメニューに登場するか、別オーダーで用意されるかも!しれません。

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